2007年12月11日

一泊100万と年収70万

昨日(12月10日)は、公務員などのボーナス支給日でした。
私の会社も毎年この日にボーナスをもらっていますが、丁度4年前のこの日に書いたコラム「一泊100万と年収70万」をアップします。

ベッカムと小松原の対比に、欧州と日本の違い(経済格差)を垣間見た気がしました。


【一泊100万と年収70万】2003.12.10

今日12月10日、私の会社でボーナスが出た。
今の会社の状況・そして私の数字では正直あまり期待はしていなかった。
そして渡されたボーナスの明細を見たが、案の定、厳しい数字だった。しかし、このご時世で決して会社に文句は言うつもりもない。契約社員や派遣社員が多い中、ボーナスを貰える立場に感謝しつつ、むしろ自分でもう少し節制しなければとさえ思う。

そんなシビアなことを考えながら、今日発売の季刊の本格サッカー雑誌「サッカー批評.21号」をボーッと読んでいた。
この雑誌は、国内でのサッカー関連の雑誌の中では、異彩を放つほど裏事情・本質に通じている。そして決して他と迎合しない姿勢の特集記事は、今の日本ワイドショー的なスポーツジャーナリズムとは一線を画した、非常に賞賛されるべき内容であろう。私の愛読雑誌の一つである。

その、サッカー批評の特集記事の一節に、6月にベッカムがスポンサーのCM撮影で来日した時のホテル宿泊代が一泊100万円であったことが、日本人が彼に群がる状況を含めて、皮肉を込めて書かれてあった。
 一泊100万円のスウィートルームに泊まるデビッド・ベッカム。
サッカーを知らない人でも、彼の名前と顔を知っている人はかなり多いだろう。
レアル・マドリードのMF、イングランド代表選手として世界的にも実力があるデビッド・ベッカムが、世界的に有名であることは間違いない。
そして、日本ではその実力以上にルックスでの人気先行は、今更言うまでもなかろう。
 当然、行き過ぎた彼のファンに対応する為、治安上仕方なく彼はいいホテルに泊まらざるを得ないことに疑いはない。しかし、100万円という宿泊代のみを大げさに報道する、日本のマスコミには甚だ問題がある。

 そして、同じく10日のスポーツニッポンの5面、サッカー記事のところで、「小松原年収70万」という見出しがあった。
何でも、昨年怪我等の理由で甲府を解雇された小松原 学(平塚―甲府 24才)が、契約先を探している際に、早朝列待ちなどのアルバイトの総額が70万円だったので、彼の今期の年収70万とのことらしい。
平塚時代、高校生でJデビューした彼は、当時将来を期待される存在であり、その元有望選手が今年の合同トライアウトの記事の主役として「抜擢」され、フリーターとしての苦悩の一年を「年収70万円」として表現されたようだ。トライアウトをいわゆる「ワイドショー」的なネタで表現している。
(ここにもマスコミの悪習を感じるが、このマスコミの件は別の場に譲ろうと思う。)

たまたま私が同じ日に見たこの二つのサッカー関連記事は、直接サッカーの試合やプレーの話ではない。しかしこの二つ、世界のサッカー界の人気頂点の選手と、日本の苦労人選手を対比した数字(一泊100万と年収70万)は痛烈な皮肉であり、欧州と日本のサッカーを取り巻く環境の違いを、一人の日本のサッカーファンとしても大いに考えさせられた。

現在の日本とヨーロッパでは、サッカーマーケットの規模が違いすぎる。
欧州市場の膨張の要因は何と言ってもTVマネーであるが、これは欧州サッカーの発展ではなく、歪めているようにも思われる。
日本もJ創設期に、TVバブル前夜の欧州に市場規模が近づいた時期があったが、それも93〜95年くらいまで。それ以降、現在に至るまで、欧州と日本の格差は広がる一方だ。
この「一泊100万と年収70万」という現象は、少なからずこの格差がもたらした「歪み」を示す数字であろう。
しかし、あえて言えば、日本はこの欧州型サッカーバブルを追い求める必要性は全く無い。100年スパンで考えれば、J創生期である今だからこそ、日本においては、年収70万の選手がプレーできる様な、下のカテゴリーの充実が不可欠である。

ボーナスの増減に一喜一憂する、庶民のサッカーファンとしては、当然小松原選手の味方である。
彼の来期の契約を心から祈りたい。
posted by 東山米鈍 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 国内サッカー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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